【雑記帳】日本料理のメインディッシュは、なぜ『御椀』なのか。

こんにちは。

金沢の料理屋四代目、金沢の料亭の愉しみ方をお伝えしている山縣 秀行(@kotobukiya_yama)です!

さて、日本料理のコースの中で、そのメインディッシュってどの一皿だと思われますか?

お店によって、順番が前後したりすることはありますが、主に次のような10品程度が提供されることが多いかと思います。

1,八寸(先付)

2,御椀(吸物)

3,造り

4,焼物

5,揚物

6,炊合せ

7,蒸し物

8,酢の物

9,御飯・汁・香物

10、水菓子

結論から申し上げましょう。

メイン料理は、『御椀(吸物)』になります。

フランス料理や、中華料理とは違い、日本料理では、コースが始まってすぐにヤマ場が訪れるわけです。

これは、まだ味覚が敏感なうちに、御椀を味わっていただきたい為。

御椀がメインだといえる理由は簡単で、御椀には、まさに料理人が全身全霊を注いで出汁を引き、季節の椀だねを整え、一碗の中にその世界観や美意識を表現する一品だから。

出汁の引き方、椀だねの調理、具材の選び方、味の入れ方に至るまで、その料理人の技術・技能のすべてがそこに表現されると言っても過言ではありません。

素材が良いだけでもダメ、料理人の技術だけでも誤魔化せるものでもありません。

まさに、料理人の総合力が試されます。

御椀が美味しくなければ、もうその後の料理は期待できないとまで言われるほどです。

ですので、私も御椀をいただく際には、そのお店の料理人さんに敬意を払い、居住まいを正して、神経を研ぎ澄まして、その料理をいただくようにしています。

つい、椀だね(具材)から箸をつけてしまうのですが、まずは、必ず出汁から味わうようにしてください。

運ばれてきた御椀の蓋を空けた瞬間に立ち上る香り、盛り付けの妙、そして、その繊細ながら深い味わい。

これらを五感で感じることこそ、この日のコースの真骨頂、つまりメインなのです。

 

雑記帳

Posted by yamagata