【富山グルメ・フレンチ】富山市春日『L’evo(レヴォ)』〜”富山”で溢れるレストラン。シェフの感性が心に響く!
こんにちは。
金沢の料理屋四代目、金沢の料亭の愉しみ方をお伝えしている山縣 秀行(@kotobukiya_yama)です!
石川県のお隣、富山県。
富山には、石川にはない、エッジの効いた個性溢れる飲食店があって、いずれもいつか行きたいと思っているお店ばかりなのですが、そのうちの一軒についに訪問することができました。
富山駅からだと、車で40〜50分程度。
金沢からだと、北陸道を経由して、車で1時間半程度。
富山から飛騨につながる、国道41号線をひたすら南下した神通峡のほとり、JR高山本線の笹津駅から徒歩5分程度のところにあるラグジュアリーホテル「リバーリトリート雅樂倶」。
こちらの地下1階のフレンチレストラン『L’evo(レヴォ)』さん。
いや、フレンチレストラン、だなんて単純なカテゴライズはできないお店かもしれません。
食べログでは、イノベーティブ・フュージョン、なんてジャンルになっていますが、イノベーティブ、創造的、ってのが確かに一番しっくりくるかもしれません。
その評判を聞きつけて、全国から、こちらの料理を求めてわざわざ来訪される方が引きも切らないという北陸を代表する人気店です。
見どころはたくさんあるのですが、まず、このレストランの根底に流れているのは”富山”の地産地消。
その土地の食材を使う、ってのは、地方のお店にとっては、比較的普通のこと。
こちらは、その更に徹底していて、レストランの調度品、食器などを、富山の作家さんと双方向で造っていること。
作家さんの作品があって、それを料理に使う、ってのは普通。
でも、「こういう料理をつくるから、それを活かすうつわをつくって」ということを日常的に行うのは、できそうで、なかなかできていないこと。
食材においても、同様の取り組みを行っておられるとか。
まさに、ローカルであること、を徹底しているお店なのです。
富山のテロワールを堪能できるレストランといえるでしょう。
今回は、ランチタイムに伺ったので、川沿いの全面ガラスからの光が店内を明るく照らし、とても爽やかな雰囲気の空間に。
おそらく、夜だと、もっとムード感ある空間に変身するんだろうなあ。
ちょっと緊張していたのか、店内の写真などは一切撮影してくるのを忘れたのはナイショ。
今度行く機会があったら、またご紹介します。
さて、お料理のご紹介へ。
まず、席につくと、カトラリー類は、引き出しの中にあるとのこと。
おー!
これ、私は初体験かも。
右側にあるのが、今日のメニュー。
メニューも凝っていて、「城端しけ絹紙」という、高級なふすま紙などに使われる伝統工芸を使用。
これをメニューに使うとは!
ものすごく高級感のある紙なので、これから出てくる料理への期待感がより一層高まります。
最初のお料理、メニューによると、〜prologue と。
前菜5品。
聞き忘れたけど、うつわは、おそらく高岡の錫鋳物。
一品ずつご紹介しましょう。
エビとタピオカのガレット。
エビとタピオカのモチモチ感と、ガレットのパリパリ感のハーモニー。
鶏のレバーが挟んであるビーツのマカロン。
こちらは、もちろん甘くありません。
鯖のリエットが入った胡麻のモナカ。
八尾の和菓子屋さん製のモナカを使用しているのだとか。
ヤギのシェーブルを練り込んだグジェール。
シェーブルとは、ヤギのチーズのこと。
たこ焼きのようにみえるけど、こちらは、チーズをまぜた皮でつくったシュー生地(グジェール)
牡蠣のフリット。
おそらく燻製された牡蠣。
いずれもメインの食材の持つ魅力がしっかり味わえる上に、脇役達がいい仕事をしていて、この5品のインパクト、味で、一気に目が輝き、こう思わない人はいないでしょう。
ああ、いいレストランに来たなって。
新湊産・神経締め真鰯。
うつわは、もちろん富山の作家さんのもの。
船の上で神経締めした鰯のマリネで、三種類のねぎが乗っかっています。
キャビアは、なんと自家製。
そのキャビアを加賀棒茶で燻すという手の込みよう。
しかし、ここは加賀棒茶ってことで、ちょっと嬉しい(笑)
最初のパンは、米粉パン。
もっちり感に特徴あり。
このあと、別の2種類のパンが提供されましたが、写真撮り忘れ。
四方産・ホタルイカ。
ホタルイカを薪で炙ってあるので、香ばしいです。
魚介の出汁が効いたクリームがかけられています。
あしらいには、万願寺とうがらしや銀杏など。
これ、ホタルイカ嫌いな人でも、絶対美味しいと思うやつ。
岩瀬産・ズワイガニ。
泡々は、ヤギのチーズ。
緑のは、菜の花で、その下にズワイガニの身が。
底には、ポーチドエッグが落としてあり、それを潰して食べるとコクのある風味に。
魚津産・黒エイ。
この盛り付けには、ちょっとびっくり(笑)
余白の美、というやつです。
エイは、軟骨があるのですが、それも食べられるよう柔らかく仕上げられています。
むしろ、その軟骨の食感が楽しい。
城端産・むぎやポーク。
産地である城端のお祭り「むぎや祭り」と、大麦を食べさせていることから、むぎやポークと名付けられたとか。
写真ではわかりづらいですが、なかなかのボリューム感。
赤身はすっきりとした、いわゆる豚のクセが少ない味わい。
白身は、ちょっと脂が強めかな。
こってりとしたソースと良く合います。
呉羽産・レクチェ。
デザートは、レクチェ(洋ナシ)のクリームをあしらったエクレア。
ミントが更に爽やかさをプラス。
良いレストランに行くと、また行きたい、なんて単純な感想じゃなく、「季節ごとに最低年4回は来たい!」って思うもの。
まさに、ここは、その想いを強くして後ろ髪を引かれながら帰路につくという、典型的なレストランではないかと。
いったい次は、どんな魅せ方をしてくれるんだろう?
って、ワクワクしてしまうレストラン。
貴重な存在ですよね。
心地よくスマートな接客も、更に空間やお料理の価値を引き上げていることも見逃せません。
あと、蛇足情報かもしれませんが、こちらで食事をすると、レストランのすぐとなりにある温泉に無料で入浴することが可能。
ランチなど、お酒を飲まない時であれば、食事を堪能した後、温泉でまったりという、なんとも素敵なリラックスタイムを堪能できます。
ランチは、これで5,700円(サービス料込6,270円)。
僕は、破格の料金だと思います。
ご馳走様でした!
○L’evo(レヴォ)
富山市春日56-2 リバーリトリート雅樂倶内B1
076-467-5550
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