【東京グルメ・日本料理】東京・芝公園(大門)『くろぎ』の巻。

2017年12月19日

こんにちは。

金沢の料理屋四代目、金沢の料亭の愉しみ方をお伝えしている山縣 秀行(@kotobukiya_yama)です!

今年は、いろんなご縁のおかげもあって、予約の取りにくいお店にたくさんお伺いすることができました。

10月にお伺いした『京味』さんは、その筆頭でしょう。

『京味』さんは、知る人ぞ知る日本最高峰の京料理店。

原則、一見さんお断りの紹介制で、常連さん以外は、ほぼ予約が取れないお店になっています。

そんな『京味』の店主である西健一郎氏のもとからは、多数のお弟子さんが独立して店舗を構えられており、その中でも一番人気なのが、『くろぎ』さん。

『くろぎ』さんも、師匠のお店である『京味』さんに負けるとも劣らない予約困難店。

こちらも、予約の空きは1年後と言われるほどの人気店。

ありがたいことに、今回お店に訪問することができましたので、その全貌をご紹介!


『くろぎ』の店主である黒木純氏は、テレビ番組「料理の鉄人」の後番組「アイアンシェフ」で、和の鉄人として活躍された料理人。

黒木さんが繰り広げる”東京割烹”を堪能してきました。

最初の一品。

今日は寒いので、温かいものから、と、黒木さん。

優しい味でホッとします。

よく考えてみると、最初の一品が温かいものっての、日本料理のコースではあんまりないかも。

なんと、二品目から、もう本命?

兵庫県津居山港で揚がったばかりの松葉ガニのオスとメスの合盛り。

城崎温泉からほど近い津居山港のカニは、間人ガニに並び、人気上昇中。

日帰り操業なので、鮮度のよいカニが揚がるのはもちろんのこと、間人ガニに比べ、水揚げ量が安定していることと、水揚げ後のカニの処理が優れていることで近年人気となっています。

『くろぎ』さんでは、黒木さんの指示通りに処理されたカニを、即空輸で東京まで送ってもらっているとのこと。

なんと、送料は一杯3,000円!

まさに、産直なので、築地経由よりも鮮度の高いものが手に入るのだとか。

東京で、この鮮度のカニがいただけることに正直、驚きを超えて、戦慄しました。

身や内子、外子を食べた後は、お約束の甲羅酒。

チンチンに熱い日本酒が注がれます。

今日のカニを披露する黒木さん。

まあ、立派な松葉ガニです。

このカニは、この後、しゃぶしゃぶにしていただけるとか。

『くろぎ』さん定番の一品である、焼き胡麻豆腐。

表面はカリッと、中はトロトロです。

黒い陶板の上で、トロトロ部分に熱を入れると、更に香ばしく。

ウニ、白エビ、白子入りの冷製。

とろみのあるスープは、鯛の骨からダシを取ったとか。

のどぐろの吸物。

ホント、のどぐろも全国区になったもんです。

これまた、のどぐろの骨からダシを取っているそう。

ご一緒した皆さんが全員絶賛したのが、こちら。

ちょっとわかりづらいですが、カニの胴体部分を甘辛く漬け込んだもの。

ほろほろと生の身がほぐれて、これは日本酒にぴったり。

これは、カニの本場・北陸でもお目にかかったことのない料理でした。

次なる食材は、牛肉。

黒木さんのご出身地でもある、宮崎県産の和牛。

お昼なので、脂の少ないあっさりとした部位を用意したとのこと。

これが切り分けられて、後ほど、お料理に。

お肉が、焼台で炭火焼きにされている間に、こんどはマグロの登場。

青森県の尻労(しつかり)産の定置網天然本マグロ!

青森のマグロといえば大間が有名ですが、ここ尻労も負けてはいません。

下北半島の東のさきっぽにあり、主に太平洋側を漁場としているとか。

こちらも、後ほどお造りとして登場します。

ここで、八寸。

中盤以降に八寸が出るのも、すっかり当たり前になってきましたね。

こちらは、二人分。

和のテイストを壊さない範囲で、クリスマスの雰囲気を出してみたとか。

大皿と、小皿は、各々こんな感じ。

だんだん酔いが回ってきたのか、写真がピンぼけ気味・・・。

八寸を楽しんでいると、今度は、くちこが。

まあ、大きく立派なくちこだこと。

くちこは、なまこの卵巣を乾燥させた珍味。

三味線のバチのようなので、ばちこ、ともいいますね。

お聞きするのを忘れてしまいましたが、おそらく、能登産。

先程のマグロをメインにした、お造りが登場。

右側の白身は、ふぐ。

最初の方で登場したカニが、黒木さんの熟練の技で次々にさばかれていきます。

さっと、湯通しされて・・・

レア状態の、松葉ガニのしゃぶしゃぶ。

絶妙の火の入れ方で、とても上品なお味に。

すっかり忘れていたころに、宮崎県産和牛の炭火焼きが登場。

ホントにシンプルに塩・胡椒だけで、じっくり炭火焼きにした一品。

良質な赤身のお肉なので、噛みしめるほどに旨みが。

添えられた柚子胡椒が嬉しい。

普通のお腹の持ち主は、おそらくこの辺でかなり満腹になっていると思います。

でも、ここからご飯へ。

最初に、香の物が運ばれてきました。

この写真だと、ちょっとわかりづらいですが、今日のご飯は、かにめし。

カニのみとカニのたまごがたっぷり。

そして、その上から、カニ味噌がとろーり。

こりゃ、カニ好きにはたまらない一杯。

でも、これで、終わりではありません。

なんと、もう一品!

こちらは、鮭の腹身ごはん!

黒木さんの師匠のお店『京味』でも定番の一品ですね。

でも、これまた、このままでは終わりません。

なんと、この上に、いくらをたっぷり!

これは、『京味』さんにはなかった工夫ですね。

こりゃ、鮭好きには、たまらない一杯(笑)

デザートも、目の前で手作り。

まさに自家製のわらび餅。

できたては、格別です。

最後は、塩アイス。

おもわず、写真撮る前に食べてしまったので、小汚くてスミマセン。

これ、最後の一品ですが、ただの塩アイスじゃございません。

なんと、この上から・・・

シャトー・ディケムをかけていただくという・・・。

まあ、なんて贅沢な。

シャトー・ディケムとは、知る人ぞ知る最高峰の貴腐ワイン。

シャトー・ディケムと、塩アイス。

シャトー・ディケムのふくよかな甘味と、アイスがこれほど合うとは。

なんとも、今日の宴の締めくくりにふさわしい、最後に身も引き締まるような体験となりました。


ご一緒した皆さんも、私も、食後の感想は「楽しかった」の一言。

もちろん、美味しかったのですが、それ以上に『くろぎ』さんですごした数時間のひとときがなにより楽しかったという印象を強く持ちました。

全国各地から、選りすぐりの食材を取り寄せ、それを、卓越した調理技術で魅せるという、ある意味シンプルでわかりやすいコンセプトのお店だと思います。

なかでも、”魅せる(見せる)”ということを強く意識されているのではないかと。

カウンター越しに繰り広げられる臨場感ある調理風景、黒木さんによる料理や食材の説明、接客担当の方によるスマートな振る舞いなどなど、単に料理を楽しむという次元を超えた、くろぎ劇場での体験が多くの方々に絶賛されている理由がよくわかったような気がします。

単に”美味しい”だけにとどまらない付加価値。

これが、これから飲食店には必ず必要になってくる要素であることを教えていただきました。

ご馳走様でした!

○くろぎ

東京都港区芝公園1−7−10

03−6452−9039

定休日:日曜日・月曜日・祝祭日

http://www.kurogi.co.jp